社会の未来を考えたいブログ

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歴史に学ぶ意味と目的

歴史とは何か。簡潔に言うと、動物の中で人間だけが学ぶことのできる知恵の一つです。動物は遺伝や本能によって学習し成長しますが、人間は遺伝や本能以外にも記号によって他人の経験を再体験して学習します。動物にはこれが出来ません。

 

歴史を学んでも意味がないという人は多いです。生活水準が低い、喋る言葉も違う、道徳観念が遅れている、科学技術が発展した現代には通用しない。歴史を学ぶ必要がないという人たちは、時代の変化を盾にしてかたくなに拒否します。

 

一方で、孫氏、マキャベリ宮本武蔵など、ビジネスマン向けに人気のある古典は数多くあります。これらは昔の人が書いた本でありながら、現代のビジネスにも通用すると考えられています。何故なら、千変万化する状況で目先の事に振り回されずに目的を達する戦略、つまり方法の選び方を著しているから、数百年数千年経っても社会に通用するのです。

 

古典なんか例外で、歴史そのものを学ぶ意味はないという人もいます。そういう人は、歴史上でも多かったと思われます。ですが、有名な古典を理解するには書かれた当時の社会背景や事件情勢を知って、初めて古典を理解したことになります。

 

経済・農業・化学・医学などの様々な学問は複雑に絡み合いながら、時代の必要に応じて発展してきました。歴史を大切にするあまりに斬新な発想が排除されるケースと同じくらい、歴史を正しく学んで切り開かれた分野も多くあります。

 

産業革命以来、当時は10億人程度だったとされる世界人口は現在70億人を超えています。史上かつてない事です。だからこそ、歴史を学ぶ必要も高まっています。発展途上国では現在、先進国がある程度克服した社会問題について、同じように苦しんでいます。歴史を学ばずに科学技術の方法だけ学んで、歴史を軽視したからとも言えます。

 

歴史は繰り返すと言いますが、悲劇に限った話ではありません。良い話を繰り返し、悪い話を繰り返さない、という学習を集団で共有するために、歴史は必要になります。それが歴史を学ぶ本来の理由です。歴史を失った科学技術や経済理論は、必ず暴走して核兵器のように人類の平穏を脅かします。歴史がある事で、人間が人間らしく生きていけるのだということを忘れてはいけません。